掛金と負担金

平成27年10月から厚生年金に加入しました。
“被用者年金の一元化”に伴い、平成27年10月から共済年金が厚生年金に統一されるとともに、「退職等年金給付」が新設されました。これにより、長期(年金)給付の掛金は「長期掛金」が「厚生年金保険料」となり、新たに毎月の給与及び期末・勤勉手当から「退職等年金掛金」の控除が開始されました。 あわせて、組合員のみなさまの毎月の給与から控除する長期(年金)掛金(厚生年金保険料、退職等年金分掛金)、短期(健康保険)掛金、介護掛金の算定方法が、従来の「手当率制」から厚生年金と同じ「標準報酬制」に変更となりました。

標準報酬制

新たに掛金の算定基礎となる「標準報酬月額」は、毎年4月から6月までの報酬(給料月額+諸手当)の月平均額を「標準報酬等級表」に当てはめて決定し、原則9月から翌年8月までの1年間適用します。 なお、制度移行期である平成27年のみ6月に支払われた報酬に基づいて決定しています。

1 定時決定について

掛金(保険料)の算定基礎となる「標準報酬月額」は、毎年4月から6月までに支払われる報酬(給料月額+諸手当)の月平均額を「標準報酬等級表」に当てはめて決定し、原則9月から翌年8月までの1年間適用します。(地方公務員等共済組合法第43条第5項及び厚生年金保険法第21条第1項、第2項)
注1
4月から6月の報酬には、2月から4月に行った超過勤務の手当が含まれます。超過勤務手当の額も含めて、標準報酬月額が決定されます。
注2
「4月から6月に支払われる報酬」のなかに、当該月以前の給与の追給・戻入分が含まれている場合は、その分を除き、本来支給される報酬で算定します。

報酬の範囲

組合員が自己の労務の対償として受ける給料(給料表の給料月額)及び諸手当

表:給料及び諸手当

報酬
  • 給料(給料表の給料月額)
  • 諸手当のうち
    扶養、地域、住居、初任給調整、特殊勤務、超過勤務、通勤手当(6か月定期は1か月相当で計算)、単身赴任、宿日直、管理職、管理職員特別勤務、休日給、夜勤 等
報酬とはならない例
  • 実費弁償的なもの(出張旅費、災害派遣手当 等)
  • 労務の対象とされない年金、共済組合・厚生会からの給付金
  • 児童手当
  • 退職手当

【対象者】

毎年7月1日現在に組合員である方全員が対象です。
ただし、次の(1)又は(2)に当てはまる方は対象外です。

  1. 7月から9月までの間に随時改定が行われた方(随時改定が優先して適用されます)。
  2. 6月1日から7月1日までの間に組合員資格を取得された方

※保険者算定(「定時決定」の例外)

年1回の「定時決定」において、通常の方法による「標準報酬月額」の算定が困難な場合は、次の方法で算定を行います。(地方公務員等共済組合法第43条第16項)

表:保険者算定の種類

保険者算定の種類 概要
4,5,6月の各月とも、
報酬の全部又は一部が
支給されない場合
4,5,6月の各月とも、①無給休職等により報酬の全部が支給されない月がある場合、または、②私傷病休職(80%支給)や懲戒による減給処分等により、報酬の一部が支給されない日が属する月がある場合は、従前の標準報酬等級・月額を適用。
4,5,6月のいずれか
の月において、
報酬の全部又は一部
が支給されない場合
無給休職等により、報酬の全部が支給されない日が属する月がある場合は、支払基礎日数17日未満の月を除いて、標準報酬月額を算定。
私傷病休職(80%支給)や懲戒による減給処分等により、報酬の一部が支給されない日が属する月がある場合は、報酬の一部が支給されない日が属する月を除いて、標準報酬月額を算定。
業務の性質上の
保険者算定
「4月から6月の報酬の月平均額から算出した標準報酬の等級」と、「過去1年間(前年7月から当年6月)の報酬の年間平均から算出した標準報酬の等級」とを比べて、2等級以上の差が生じた場合は、過去1年間の報酬の月平均額により、標準報酬月額を算定。
<2つの要件があります>

  • 2等級以上の差が、個人の状況ではなくその職場全体の業務の性質上、(単年度限りまたは一過性・突発的な事由ではなく)例年発生する」ことが見込まれる。
  • 「所属の申立」及び組合員本人の同意がある。

2 随時改定について

「標準報酬月額」の決定は、年1回の「定時決定」(9月)が基本ですが、次の3つの要件に当てはまる場合は、「随時改定」の対象となり、標準報酬月額が改定されます。

「要件1」 固定的給与※に変動があること

表:固定的給与と非固定的給与

※ 固定的給与
[報酬のうち、勤務実績に関係なく月等を単位として、一定の額が継続して支給される報酬]
  • 給料(給料表の給料月額)
  • 諸手当のうち
    扶養、地域、住居、初任給調整、単身赴任、特殊勤務(月額・定率)、通勤(6か月定期は1か月相当で計算)、管理職 等
非固定的給与
[固定的給与以外のもの]
  • 諸手当のうち
    特殊勤務(日額)、超過勤務、宿日直、管理職員特別勤務、休日給、夜勤、寒冷地 等

「要件2」

「固定的給与変動以後3か月間の報酬の月平均額から算定した標準報酬の等級」と「すでに決定されている標準報酬の等級」とを比べて2等級以上の差がある場合

「要件3」

固定的給与変動月以降の継続した3か月間の支払基礎日数が全て17日以上ある場合
2等級以上の差は、固定的給与と3か月間の報酬の平均額のいずれもが増額、または、いずれもが減額した場合に限り適用します(固定的給与は増額したが、非固定的給与が減額したことにより報酬平均額が減額した場合、または、その逆の場合には、随時改定の適用対象とはなりません)。

(↑は増額、↓は減額)

表:報酬と随時改定の適用

報酬 固定的給与
非固定的給与
報酬平均額(3か月)
随時改定の適用

変動の要因である「固定的給与」と変動の結果の「報酬平均額」の矢印が同じ向きのとき、随時改定となります。
要件1~3の全てに当てはまった場合、固定的給与の変動後4か月目に【随時改定】で標準報酬月額が改定され、共済掛金額が変わります。(地方公務員等共済組合法第43条第10項)
扶養・地域・住居・通勤手当などの変更も「固定的給与の変動」にあたります。

産前産後休業終了時改定

 産前産後休業を終了した組合員が、産前産後休業終了日に産前産後休業に係る子を養育する場合において、「産前産後休業終了時改定申出書」により申出をしたときは、産前産後休業終了日の翌日が属する月以後3か月間に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を改定します(勤務時間の短縮等により報酬が下がった場合を想定した制度です)。

育児休業終了時改定

 育児休業を終了した組合員が、育児休業終了日にその育児休業に係る3歳に満たない子を養育する場合において、「育児休業終了時改定申出書」により申出をしたときは、育児休業終了日の翌日が属する月以降3か月間に受けた報酬の総額をその月数で除して得た額を報酬月額とし、標準報酬月額を改定します(勤務時間の短縮等により報酬が下がった場合を想定した制度です)。

「退職等年金給付」について

共済年金の旧職域部分廃止後の新たな年金として、平成27年10月から「退職等年金給付」が創設され、平成27年10月の給与から「退職等年金給付」に係る掛金控除を開始しています。

掛金率と負担金率

令和5年4月からの掛金率と負担金率(毎月分、期末・勤勉手当分)

表:掛金率と負担金率

単位:千分率(‰)
区分 掛金率 負担金率 合計
地方公共団体等
事業主負担金
公的負担金 調整負担金
毎月分 期末・勤勉手当分 毎月分 期末・勤勉手当分 毎月分 期末・勤勉手当分 毎月分 期末・勤勉手当分 毎月分 期末・勤勉手当分
長期
給付
厚生年金保険 91.50 91.50 40.90(注1) 223.90
退職等年金 7.50 7.50 15.00
公務等給付 0.0990(注2) 0.0990
短期
給付
短期分 43.46 43.46 0.08(注3) 0.10(注4) 87.10
介護分 8.43 8.43 16.86
福祉事業(注5) 1.40 1.40 2.80

(注1)長期給付:「厚生年金保険」のうち「公的負担金」は、基礎年金拠出金に必要な費用のうち地方公共団体が負担するものです。
(注2)長期給付:「公務等給付」のうち「地方公共団体等事業主負担金」は、公務等による障害年金・遺族年金の費用として地方公共団体等事業主が負担するものです。
(注3)短期給付:「短期分」のうち「公的負担金」は、全国市町村職員共済組合連合会が行う育児・介護休業手当金共同事業の費用として、地方公共団体等事業主が負担するものです。
(注4)短期給付:「短期分」のうち「調整負担金」は、全国市町村職員共済組合連合会が行う短期給付特別財政調整事業の費用として、地方公共団体等事業主が負担するものです。
(注5)福祉事業:特定健康診査や特定健康指導などの事業に係る費用です。毎月の給与からは、短期給付の「短期分」に含んで控除しています。

〈掛金(保険料)の計算方法〉

1. 月額分

毎月の給与から控除する掛金(保険料)の額は、「標準報酬月額」が算定基礎となります。
この「標準報酬月額」に掛金(保険料)率を乗じて掛金額(保険料)を計算します。
標準報酬月額×掛金(保険料)率=掛金(保険料)※端数切捨て

標準報酬月額340,000円の組合員の厚生年金保険料の場合(令和5年4月時点)

標準報酬月額340,000円×91.50/1,000(厚生年金保険料率)=毎月の厚生年金保険料31,110円

掛金(保険料)は短期掛金率、長期掛金(保険料)率ごとに計算し、端数処理の上で控除を行います。

2. 期末・勤勉手当分

期末・勤勉手当から控除する掛金の額は、「標準期末手当等の額」が算定基礎となります。
「標準期末手当等の額」は、組合員が受け取る期末・勤勉手当の額から、千円未満の端数を切り捨てたものです。この「標準期末手当等の額」に掛金(保険料)率を乗じて掛金額(保険料)を計算します。
標準期末手当等の額×掛金(保険料)率=掛金(保険料)※端数切捨て

「標準期末手当等の額」には、次の上限額が設定されています。

表:標準期末手当等の額

長期給付 1支給期につき150万円
短期給付 年度累計で573万円

期末・勤勉手当の額が463,850円の場合(令和5年4月時点)

→標準期末手当等の額 463,000円(支給額から1,000円未満を切り捨てて、決定します。)
標準期末手当等の額463,000円×91.50/1,000(厚生年金保険料率)=厚生年金保険料42,364円

任意継続組合員の掛金率

任意継続組合員は、事業主負担金がなく全額自己負担になるため、掛金率は一般組合員の2倍となります。

表:任意継続組合員の掛金率

単位:千分率(‰)
区分 掛金率
短期給付 短期分 86.92
介護分 16.86
福祉事業 2.80

産前産後休業期間中の掛金免除について

組合員本人が産前産後休暇を取得した場合は、申出により掛金及び地方公共団体の負担金が免除されます。 産前産後休暇中の掛金免除は、出産予定日以前42日(多胎妊娠の場合98日)の免除開始(基準)日から実際の出産日後56日までの期間です。ただし、出産日が予定より早くなった場合または遅くなった場合には、次のとおり免除期間が変更になります。 

産前産後休暇掛金免除の事例

  1. 出産予定日に出産した場合
    出産予定日に出産した場合の掛金免除期間と出産休暇期間の説明図

  2. 出産予定日よりも早く出産した場合
    出産予定日よりも早く出産した場合の掛金免除期間と出産休暇期間の説明図

    免除開始日が出産予定日より早くなった場合、免除開始日も実際の出産日以前42日に変更されます。ただし、免除開始日は、出産休暇中である必要があります。

  3. 出産予定日よりも遅れて出産した場合
    出産予定日よりも遅れて出産した場合の掛金免除期間と出産休暇期間の説明図

    免除開始日は変更になりません。免除終了日は、実際の出産日後56日となります。

育児休業期間中の掛金免除について

 組合員が「育児休業期間中の掛金免除(新規・変更※)申出書」を提出することにより、掛金が免除になります。
 毎月の給与に係る掛金免除の期間は、育児休業を取得した日の属する月から、育児休業を終了する日の翌日の属する月の前月分までとなります。また、同一月内に育児休業等を開始・終了し、その休業期間が14日以上の場合も当該月の掛金が免除になります。ただし、期末・勤勉手当に係る掛金については、1月を超える育児休業を取得している場合に限り免除になります。
※育児休業期間を短縮・延長した場合に提出が必要となります。掛金免除期間に影響するため必ず提出してください。